妖怪の種類を詳しく02

人為的に作られた妖怪

井上円了は研究の結論として、妖怪を大きく二種類に分けました。

「実怪」と「虚怪」という風にです。さらにこの二つは下位の段階に分かれるのですが、ここでは初めに「虚怪」について考えてみたいと思います。

虚怪をさらに分解すると、「誤怪」と「偽怪」という風に分けることができます。

「誤怪」というのは、いわば偶然に発生した妖怪で、人の勘違いや思い込みによって観測されたものです。それに対して「偽怪」は、人為的に作られた妖怪。

つまり何か目的があって、人の手で作られた妖怪ということになります。実はほとんどの妖怪が人の手、人の工夫によって作られた「偽怪」。

夜道を歩いてはいけない、森の中を歩くと危ない、川に近づいてはいけないという戒めのために、例えば口裂け女やこなき爺や河童が生み出されたとしたら、それは「偽怪」。

単純に川で溺れる者が多いという事実から、人々が誰ともなくあの川には何か棲んでるんじゃないかという話しを始め、それが何度もまことしやかに囁かれる過程で、いくつかの目撃証言が加わり河童という妖怪が姿を現すようになる。

いわゆる「怪談」として話が成り立てば、あとは河童が出るから川で泳いではいけないというのは簡単です。このようにして、妖怪が利用されたと考えることができます。

これは例であって河童の出現がこのような経過を辿った、つまり「河童は偽怪だ」と断定する訳ではありませんが、人為的に作られたということを説明するために河童を使わせていただきました。

むしろ発生の段階では「誤怪」と呼ぶに相応しいようですから「虚怪」を明確に区別するのは難しいと思います。