鬼の話し03

鬼とつく言葉のイメージ

鬼のつく漢字を考えてみると、どうしても「死」のイメージが付きまとうのですが、鬼という言葉から連想するイメージは「死」とは違うようです。

よく、「鬼のような形相」ということがありますが、これは単純に怒りを表した恐ろしい表情という程度の意味。

「鬼のように~する」という形容をすれば、もちろん死者のようにという訳ではなく、一般的には超人的な動きをする人を指すものだと思います。

また同じような意味で「○○の鬼」という言い方もあると思いますが、こちらもある物事に対して非常に厳しく、こだわりを持ち、また超人的な能力を発揮する人を指すものです。

オニヤンマのように、鬼という言葉を付けることで大きさや形態の禍々(まがまが)しさを言い表すこともあります。

いずれにせよ日常で鬼という言葉を使うときには死者という意味は全くと言って良いほど加味されておらず、多くがその大きさ・強さ・能力の高さ・強靭さを強調するための形容詞となっています。

このことから、鬼は不吉や恐怖という意味と、その強さや大きさ・人智を超えた能力という一種の憧れのような感情を引き起こすイメージも同時に持っているのだと言えます。

実際に、鬼がよく出現した時代、怪人的な力を持った人や、人智を超えた能力を発揮した人も鬼に憑かれたのだと思った人がいたのかもしれません。

そうなれば、悪い怖い鬼もいるけれど、良い鬼もいるのだという話しが広がるということも考えられます。

退治するべき鬼もいれば、歩み寄るべき鬼もいる。

『ももたろう』もあれば『泣いた赤鬼』もある。いずれにせよ、日本人にとってもっとも親しみの強い妖怪が「鬼」なのです。