妖怪はいつも愛される03

妖怪ブームが終わらない理由

人間と妖怪の関係はなかなか切っても切れない、腐れ縁のような関係なのではないでしょうか。

ときには恐ろしく、ときには親しみを持てる妖怪が私たちは気になって仕方なく、例え頭では正体が説明できるとは分かっていても、その存在を否定しきることはできません。

妖怪ウォッチは人の身に起こる不可解な出来事を引き起こす妖怪を見ることができる時計ですが、私たちはどこかで、「説明できない不思議の存在」を求めているのかもしれません。

何しろ人間はときに自分でもよく分からないままに不可解なことをしたり、考えたりしてしまうことがあるのですから。

また感情のコントロールも私たちはあまり上手ではありません。小さなことを気にしてくよくよしてしまったり、すぐに怒ってしまったり、どうしても悲しかったりすることがあります。もちろん、何でもないものがすごく怖く感じることもある。

感情に流されやすい私たちの心は非常に弱く、やらなければならないことがなかなか出来なかったり、反対にしない方が良いことがやめられなかったりします。

自分の頭の中・心・体を持て余し気味の私たちにとって、それが弱さだとか気の迷いだとか思い込みだとかという説明をされるよりは、まったく自分とは違う存在に原因がある、責任があると考えられたらという願望があるのかもしれません。

そんな気持ちこそが人間の弱さに違いなのですが、私たちの妖怪は上手にその弱さに付け込み、溶け込んでくれます。語られれば語られるほど存在感が増し、説得力が増し、やがてはっきりと共通した姿を持って私たちの前に現れるようになります。

自分の弱さそのものである妖怪が目の前に現れたとき、私たちは怖いという感情と、同じくらいの親しみの感情を抱くものなのではないでしょうか。

だからこそ、私たちは妖怪から離れることができないのだと思います。人間にとって一番怖いけれど、弱さを全て受け入れてくれる、一番やさしい存在でもある。

だからこれからもきっと妖怪は、姿を変え形を変え、手を替え品を替え、語られる手段も媒体も増やしながら、私たちの傍から離れることなく居続けるものなのではないかと思います。

人間が完璧な存在にでもならない限り、私たちには妖怪が必要なのだと思うのです。